無事

お風呂から上がってユニットバスのドアを開けると
火災報知器が鳴った。ピーピー×4。
大きな音に驚いたけど、すぐ止まった。


たしかこいつは煙感知式のはずだよなぁ。
今の音で大家さんや隣人が来たりするんかなぁ。
しばらく困惑してたけど、何にもなく夜は過ぎていった。
で、翌朝の俺と火災報知器の会話。

火「昨夜はごめんね」
俺「あ、あれ、めちゃ驚いたよ」
火「あまりにも暇だったもんでさ」
俺「わざとなの?誤作動でなく?」
火「間違えたといえば、間違えたんだ」
俺「誤作動じゃない」
火「湯気が凄かったから、つい」
俺「部屋が冷え切ってたから」
火「すまんね。暇だってのも本音さ」
俺「騒ぎにならなくて良かったよ」
火「それでいいのかっていう話もあるけどね」
俺「うん。俺、もう出かけるから留守を頼むよ」
火「ちなみに、ピーピーってのは警戒レベルの音ね」
俺「急いでるんだ」
火「異常警報だともっと鳴るからね」
俺「はいはい。じゃ、いってきます」
火「いってらっさい」